ヴィヴィアン・ウエストウッドがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の新衣装をデザイン
2023-12-04
ヴィヴィアンウエストウッド(Vivienne Westwood)とアンドレアスクロンターラーがウィーンフィルハーモニー管弦楽団の新衣装をデザイン。オーストリアのクラシック音楽シーンにおける最も重要な2017年1月1日のニューイヤーコンサートで、ステージ衣装「Philharmonic Suit」を披露する。

ヴィヴィアンウエストウッドと彼女のデザインパートナーであり夫のアンドレアスクロンターラーは共にクラシック音楽を深く愛しており、クロンターラーにおいては幼少時からフィルハーモニーの熱心な支持者だ。2009年に彼らは正式にフィルハーモニーに会い、2014年にはニューイヤーコンサートのバレエのコスチュームをデザインしている。
2017年の年初めに発表される「Philharmonic Suit」は、オーケストラが着用する伝統的な衣装にユニークなアレンジを加えている。これまではフォーマルマナーに則り、昼公演にはシュトレーゼマン(またはストローラーの名で知られる昼用の礼服)、夜公演では燕尾服を着用してきたが、今回のデザインは伝統を重んじつつも現代的な機能性を兼ね備えた、昼夜どちらにも最適な衣装を製作。ロンドンサヴィルロウにある、ハンドメイドの紳士スーツで名高いテーラーと連携し、楽団の男女一人ひとりフィッティング。それぞれの演奏家に必要な機能を備えたテーラーメイドスーツを仕立てた。

男性用のスーツは、軽量で高品質な英国生地を使用。動きやすくエレガントな出来栄えに。ブラックのモヘアとウール素材のカットアウェイジャケットは、クラシックな燕尾服に現代的な工夫を加え、バックラインを持ち上げることで演奏者の動きをサポートする。このジャケットに、トラディショナルなブラックパンツと、ヴィヴィアンウエストウッド定番のダブルベストを合わせる。
昼公演では、英国風モーニングスーツにインスパイアされたシルバーがかったサンドグレーのダブルベストと、ウィーンフィルハーモニーのロゴが刺繍されたシルクのタイを着用。夜公演では、典型的なホワイトタイ(正礼服)にインスパイアされたピケ素材のホワイトのダブルベストに、同じくホワイトピケのボウタイを合わせる。

女性用スーツのアイデアは、1993/94 AW ヴィヴィアンウエストウッド ゴールドレーベルの「アングロマニア」コレクションに登場した“Dangerous Liaison”ジャケットにヒントを得ている。このジャケットはもともと18世紀の紳士用フロックコートにインスパイアされており、今回は女性のシルエットに合うようカーブを調整し背中にプリーツを施した。また、楽器の取り扱い時の機能性と動きやすさを重視し衿を外している。スリムカットのクラシックなパンツを合わせれば、フォーマルなシルエットが印象的な仕上がりになる。
昼公演ではシルバーサンドのシルクサテンを使用したドレープが美しいラップブラウスを合わせ、夜公演ではブラックのシルクのラップブラウスで、エレガントなイブニングルックを演出。
なお、ウィーンフィルハーモニーの楽団長アンドレアスグロスバウアーは、伝統と現代的なエレガンスの融合を重視しており、今回のコラボレーションに関して次のように語っている。「映像ストリーミングやHDブロードキャストの時代において、視覚的要素の必要性はますます高くなります。ヴィヴィアンウエストウッドとアンドレアスクロンターラーは、まさしくウィーンフィルハーモニーの高いブランド水準にふさわしいデザイナーです。」。
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