ヴェルサーチェ 2020年春夏メンズコレクション - 力強い男性像の追求――自信と自由、自己表現
2023-11-28
ヴェルサーチェ(VERSACE)の2020年春夏メンズコレクションが、2019年6月15日(土)にイタリアミラノにて発表された。

ランウェイには、モデルのベラハディッドが登場。
自由で力強い男性像を求めて

“コンテンポラリーな男性像への賛美”を掲げた今季のコレクションでは、自信、自由な精神、躊躇なき自己表現といった要素を表現。ステレオタイプ化された男性像の枠から解き放たれた、力強く、自由な男性像を映し出した。展開されたのは、身体に沿う端正な仕立てと、一瞬で目を捕らえるほど強い存在感のルックの数々だ。

ヴェルサーチェ本社の中庭に設置された会場には、ピンクを基調とした華やかな空間が演出されている。客席はカラフルなプリントのファブリックで覆われており、一歩足を踏み入れただけで非日常的かつ、ゴージャスな空気感に包まれた。
花をつけた植物が生き生きと繁り、中央には溢れる程の花を装飾した車がディスプレイされている。少年から成人になるイニシエーションの象徴として、モチーフ化された自動車とフェミニンさを漂わせる花々――。自由な男性像を追求する姿勢をシンボリックに表現した。
90年代カルチャーから着想

1990年代に活躍し、レイブの象徴でもあったイギリスのバンド「ザプロディジー(The Prodigy)」から着想を得た、1990年代カルチャーを彷彿させるエッジの効いたデザインが散見された。レザージャケットやロングコートは、ウエストの高い位置でベルトを締めることでシャープな印象に。サイドをレースアップ仕様にしたレザーパンツや、オーバーサイズのライダースベストは、スマートなスーツスタイルやテーラードジャケットに組み合わせることで、ソリッドでパンクながら、上品さも描き出す。
多彩な素材使いで登場したレオパード

レオパード柄も目を引いたポイント。柔らかな風合いの機能素材で仕立てたジャケットやパンツ、バッグが登場したかと思えば、艶やかなコーティング素材でもレオパード柄を表現。深みのあるブラックとレオパードを半身で切り替えたロングコートは、ベルトによってその非対称性をより一層強調している。その他、薄手のラメテキスタイルで仕立てたタイトフィットのワンピースやメタリックなミニドレスも展開された。
“車”やカラフルな壺などプレイフルなモチーフ

今季のシンボルでもある車のモチーフは、アーティストのアンディディクソンが手掛けたアートワークに、きらびやかなレッドのストーンをあしらってレースカーとして表現。艶やかな光沢感のジャケットやパンツ、タイトなブラウス、ミニスカートに、遊び心を添える。
また、同じくアンディディクソンによるカラフルな陶器の模様のシャイニーなセットアップ、トロピカルな色彩でギリシャ神話の美少年ナルキッソスを描いたプリントブラウス、メドューサビギーアイウェアのプリントなど、プレイフルなモチーフが、ファビュラスな世界観にポップさをもたらしている。
アイキャッチな“メドューサ”型バッグ&“V”クロージャー

また、アイキャッチなバッグにも注目。中でも目立っていたのは、アイコニックな「メドューサ」を立体的に象った小ぶりなバッグ。グラデーションでゴールドやブルー、ブラックの色彩を表現した、コーディネートのアクセントとなる1品だ。その他、花を挿した端正なレザートートや、ベルトを飾りエッジを効かせた筒形のショルダーバッグ、精巧な装飾を施した、金色の“V”型クロージャーをあしらったチェーンバッグなど、多彩なバリエーションのバッグが登場した。
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