ジル・サンダー 2013年春夏メンズ - ジル・サンダーのデザイナー復帰第一弾コレクション
2023-08-18
2012年6月23日、ミラノメンズファッションウィークでジルサンダー(JIL SANDER)の2013年春夏コレクションが発表された。先シーズンをもってディオールに移ったラフシモンズに代わり、今シーズンよりブランドの創立者であるジルサンダーがクリエイティブディレクターを務めている。彼女の復帰第一弾となるコレクションは、世界中が注目する中発表された。
ファーストルックは、ボリューミーな袖の白のシャツ、ダブルのロングベスト、そしてスリムなパンツ。スリムになったり、オーバーシルエットになったり、緻密な計算の上で成り立つ自由自在のシェイプが、強撚糸で織られたハリのある素材を使用することで、さらに際立ってくる。比翼仕立てのフロント、パンツのセンタープレスなどディテールに象徴される、端正な表情を持つミニマルな服作り。そこにはジルサンダーの神髄が垣間見られるよう。
ジャカードウールとコットンのニットは、コンセプチュアルな作風で知られるドイツ人アーティスト、ブリンキーパレルモ(Blinky Palermo)と、ミニマリズムのアメリカ人画家、ロバートマンゴールド(Robert Mangold)の作品からのインスピレーション。ネイビー、イエロー、グリーン、ブルーのジルサンダーらしい配色が、グラフィカルに共鳴し合い、完璧なリズムで洋服に落とし込まれている。
研ぎ澄まされた感覚によって生み出されたテンションを保った服たちが、真っ白なランウェイの上で、新たなジルサンダーの世界の始まりを告げた。
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