クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展が銀座メゾンエルメス フォーラムで、美術に見る“虚構”の構造
2023-12-22
エルメス(HERMÈS)が東京銀座に展開する銀座メゾンエルメス フォーラムでは、「訪問者」クリスチャンヒダカ&タケシムラタ展を、2022年10月21日(金)から2023年1月31日(火)まで開催する。
現代美術における“現実と虚構”

Oil tempera on linen, 251×178.5cm
Photo: Hugard & Vanoverschelde
Courtesy of the artist and Galerie Michel Rein
1977年千葉生まれ、ロンドン在住のクリスチャンヒダカと、 1974年シカゴ生まれ、ロンドン在住のタケシムラタ。「訪問者」展は、現実と虚構の狭間を問う制作を続けるふたりのアーティストの作品を通して、現代美術における虚構的な構造をそれぞれのナラティヴによって浮かびあがらせる展覧会だ。

Oil on linen, 206×325cm
Courtesy of the artist and Galerie Michel Rein
クリスチャンヒダカは、劇場とその建築、西洋の絵画史を参照した絵画作品を手がけてきた。とりわけ、ルネサンスの思想と芸術の2つの側面、遠近法や幾何学的な空間記述といった科学的な側面と、異教的魔術的な側面に大きな関心を抱いており、近年は絵画と劇場の類似性に着目して、入れ子的な構造のなかに古今東西の多様な要素を共存させた作品世界を展開している。

Oil tempera on linen, 178×255cm
Photo: Vincent Everarts
Courtesy of the artist and Galerie Michel Rein
本展では、シンメトリカルな構造のなかに、パブロピカソのアルルカン(道化師)、フラアンジェリコの作品の細部、そして20世紀ヴェネツィアの建築家カルロスカルパのフレームなどが反復する作品空間を繰り広げる。

Digital video; Continuous loop
Collaboration with Christopher Rutledge
Courtesy of the artist
一方、タケシムラタは、主にデジタルメディアを用いた映像作品や立体作品などにより、独自のリアリズムを追求してきた。現実を流動的な世界として捉える村田は、そこに分解、溶解、消滅、あるいはオーバーラップといった、CGI技術における「ディゾルブ」の技法を重ねている。

Digital video; Continuous loop, Sound by Black Dice
Courtesy of the artist
本展では、最新の技術であるWeb3.0やNFTがもたらすメタ世界への関心から、バスケットボールをする犬「ラリー」の映像作品を制作。コンピューターのプログラムによって生成されたラリーは、一見彫刻のようでありながら、ムラタの姿をメタ世界において映しだすものだといえる。
展覧会概要
「訪問者」クリスチャンヒダカ&タケシムラタ展
会期:2022年10月21日(金)~2023年1月31日(火)
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム
住所:東京都中央区銀座5-4-1 89階
開館時間:月~土 11:00~20:00 / 日 11:00~19:00
※最終入場はいずれも閉場30分前まで
休館日:不定休(エルメス銀座店の営業に準ずる)
入場料:無料
【問い合わせ先】
銀座メゾンエルメス フォーラム
TEL:03-3569-3300
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