エルメス 2021年春夏ウィメンズコレクション、開放感に満ちた新たなセンシュアリティ
2023-12-18
エルメス(HERMÈS)は、2021年春夏ウィメンズコレクションをパリファッションウィークにて発表した。
自由な開放感と新たなセンシュアリティ

アーティスティックディレクターのナデージュヴァンヘ=シビュルスキーは、夏の自由な開放感と、新たなセンシュアリティを追求。繊細でありながらも、揺るぎなく凛としたスタイルを提示した。
皮膚のように身体に馴染むウェア

印象的なのは、繊細さ、滑らかさをもって肌に馴染むウェアの数々。レザースカートに合わせたボディスーツは背中がざっくりと開いたデザインを採用。背中を最大限に見せつつ、生地を肌にフィットさせることで、素肌と連続した、第2の皮膚であるかのような自然さを演出する。

また、ブラトップの上からミニマルなオールインワンを重ねたスタイリングや、ボディスーツに構築的なストラップつきスカートを合わせたルックからは、ミニマリズムと呼応するセンシュアリティが見て取れる。
直線的なシルエット

直線的なシルエットも特徴的。四角形の切り替えを施したレザーのノースリーブドレスや、テーラードジャケットとテーパードパンツのマニッシュなセットアップ、チェーンモチーフを総柄でプリントしたジャンプスーツなどは、身体のラインにそった端正なシルエットを描き出す。ショート丈のベストやジレ、ブルゾンを使ったマスキュリンなスタイリングは、装飾を削ぎ落したウェアのシンプルな造形が身体性をより浮き彫りにしていく。
ニュートラルカラーに鮮やかなアクセント

カラーパレットは、ベージュやホワイト、グレー、といったニュートラルカラーやブラックといった色彩をメインに用いる一方で、レッドやライトブルーが鮮やかなアクセントに。ウォーミングなオレンジのスカートにはレッドのコンパクトなレザージャケットを合わせ、クリーンなホワイトのレザースカートにはライトブルーのロングコートを羽織って清涼感をプラスする。
ステッチやハーネスなど“クラフト”の感触

また、クラフトの感触を思わせる細やかなディテールにも注目だ。ベージュのミニドレスの袖には格子状の穴を並べて部分的に肌を見せ、コートやニットの襟はくるくると巻いてエレガントなフォルムに。タイトなミニドレスの上から重ねたハーネスの装飾、スエードのドレスやコートにあしらわれたステッチなどもまた、精巧な手仕事を思わせる。
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